僕はジャーナー。S F J は時代を超える
「 ザ ・ サ ー フ ァ ー ズ ・ ジ ャ ー ナ ル ・ 日本語版」は創刊して1年が 経った。これもひとえに、“ ジャーナル ” を 信じてくれた読者とスタッフ、関係者、そ してこのジャーナルをサポートしてくれた スポンサー達のおかげだ。改めてお礼をいいたい。どうもありがとう。
僕が初めて “ ジャーナル ” を手に取った の は 、も う 2 1 年 前 の こ と に な る 。創 刊 号 だ 。サ ン フ ラ ン シ ス コ に 一 軒 し か な か っ たサーフショップ「ワイズ」に、置かれて いたのだ。手にとってパラパラめくると、 僕は一瞬にして虜になった。それまでに 出ていたサーフィン雑誌とは全く違い、 サーフトリップの話、サーファーの歴史、 生き方、文化といったショートストーリー が小気味よくコレクションされていた。そ れまでサーフィンの雑誌といえば、大会 やランキングが中心に掲載されているこ とが多かったが、ジャーナルはまったく違 う。それはサーフィンの大会などほとんど 興味がない、平均年齢 35 歳のサンフラ ン シ ス コ の サ ー ファ ー に とっ て は 劇 的 な もので、すぐに話題となった。僕たちも 今までの雑誌とは扱い方が変わった。 買 っ た ら す ぐ に 家 に 持 ち 帰 り、本 棚 に 並 べ、ゆっくり読む時間ができたら棚から下 ろして読んだ。貸すなんてあり得なかっ た 。ワ イ ズ に ジ ャ ー ナ ル が 届 い た ら 、す ぐに買わなければ売り切れてしまった。 貸すときはサーファーがケガして入院した と き ぐ ら い だ っ た ね 。そ し て 退 院 す る 前に返してもらったよ。
話は変わるが、僕はこの5年間、イン タ ー F M( 7 6 . 1 M H z )と い う ラ ジ オ 局 で「 レ イ ジ ー ・ サ ン デ ー 」と い う 番 組 を 担 当 し ていた。毎週日曜日の朝9時から13時 までの4時間だ。番組のコンセプトは、 平 日 に 仕 事 を が ん ば っ た ら 、日 曜 ぐ ら い レイジーに過ごそうよ、そんな感じだ。
音 楽 の ジ ャ ン ル は さ ま ざ ま だ が 、日 曜 日 の 朝なのであまり激しいものはかけていな い。海に行くときや海帰りにリラックスで きる音楽を選んでいる。アコースティック ギターの音が聴こえてくるような音楽。た とえアコギがその曲の中に入っていなく て も 、イ メ ー ジ が あ れ ば そ れ で い い 。年 代は 1960年代から現在のアーティスト までさまざま。時々、30年代のブルース やカントリーもこっそり入れてしまうけど ね。いい音楽は年代を問わず、つながる ものだ。カントリーの次にジャズ、それで ロ ッ ク と ブ ル ー ズ 。2 0 年 前 に 出 た 音 楽 で も、いいものはいい。ビートルス、ボブ・ デ ィラ ン 、ボ ブ・ マ ー リ ー 、イ ー グ ル ス 。 このレベルのアーティストは、今聞いても い い し 、新 し く 聞 き は じ め る 若 い 人 達 も い る 。ま た 現 在 の 音 楽 で も 、2 0 年 後 、3 0 年後にも聞き継がれている曲もあるだろ う。そのひとりが、2001年にデビュー し た ジ ャ ッ ク・ ジ ョ ン ソ ン だ と 僕 は 思 う 。 彼の音楽は自然にじわじわと売れていった 本 物 だ 。そ ん な 彼 を ま ね る よ う に 、その後、さまざまなサーファー達がジャックの 波 に 乗 る よ う に し て ギ タ ー を 持 ち 、デビューしていった。でも、彼らはこの2、3年で消えてしまっているように思う。レ コード会社が作ろうとしたムーブメント は な くな っ て い っ た 。い つ の 時 代 も 心 に 残 る 、受 け 継 が れ る も の も の が あ る 。淘 汰されるも、残るも、ごく自然の原理だ。 音楽も、記事も、現在、過去を問わな い 。“ ジ ャ ー ナ ル ” の 存 在 も 、そ う だ 。ジ ャ ー ナルのストーリーは、今読んでも、明日読 んでも、いつ読んでも、そしてまたもう一 度読み直しても内容が生きている。今回 の“ジャーナル”の21.1号(これは 21 年 目 の 1 号 目 と い う 意 味 だ )は 、そ ん な 話をよく表している。この号からは、過去 のアメリカ版“ジャーナル”に出た、さま ざまな記事をピックアップして、日本版に 掲 載 し て い く つ も り だ 。今 回 は 2 0 0 2 年の第2号に掲載されたストーリー。「Mike Doyle’s Primitive Baja」。当時、 僕 は こ の 記 事 を 読 ん で 、( よ く カ リ フ ォ ル ニアのサーファーにある話だけど)、メキ シコに住めたらいいなと思ったのを今で も覚えている。すごく印象的で、読んだ当 時の僕の心理状態までよく覚えている。 実際には住まなかったが、本当にメキシ コにサーフィンに行き、バハの海沿いに ある彼の家の下でサーフもした。あれか ら 20 年という時間が経ったとは考えられない。
そう、20年前でも通用する、そして2 0 年 後 に も 通 用 す る 。こ れ が「 サ ー フ ァ ーズ・ジャーナル」だと俺は思う。増やして、それを息子や孫に渡していく、 そ ん な 財 産 だ と も 思 う 。時 代 を 超 え ら れ る 音 楽 と 一 緒 に 、「 サ ー フ ァ ー ズ ・ ジ ャ ー ナル」は時代を超えて残っていく、時代の 文化の宝物だ。そんな雑誌に関わること ができて、僕は本当に光栄だと思ってい る。僕はサーフジャーナリストならぬ、 ジャーナルのジャーナーだ(笑い)。
-G.C.












